守りたいもの by烏依
守りたくて。
貴方を守ったその時から
貴方が心からの安堵の溜め息を漏らした時から
貴方が助けてくれたその時から
貴方が傷付いた時から
貴方と歩き始めたその時から
貴方が幸せを手に入れた時から
あの人が私を守ってくれたその時から
あの人が私をかばってくれたその時から
あの人が私の所為で死んだ時から
貴方が
あの人が
皆が
幸せになりますように。
私はその幸せを
命を懸けてでも守りたいの。
神様、どうか神様
貴方の存在なんて信じてなんかいないけど
いるのなら証明してよ
いるのなら皆を守る力を、私に頂戴
――――私はどうなってもいいからさ。
だから私はずっと笑っていよう
優しいあの子が、心配性なあの子が、素直なあの子が。
心配しなくて済むように。